書評
歴史と旅のルポライターで数々の難事件を解決するのは、浅見光彦。一方、獣医学の知見を武器に野生動物の死因を解明するのが、浅川満彦さん。 実在の獣医学者(寄生虫学)である。 近年,野生鳥獣が媒介する感染症(人獣共通感染症)が話題となっているが、つい数十年ほ…
いったい日本の国土にはどれくらいの数のダムがあるのだろうか?そんな疑問がふとわいてきた。様々な統計に当たってみたものの、ダムの国や県、電力義者などと管理団体ごとにバラバラで統一された統計上の数字はよくわからない。そこで水源連のHPを覗いてみると以…
最近とみに増加している河川の氾濫、堤防の決壊、あるいは土石流による大災害は市民の生命と財産はもちろん、将来にわたる地域の暮らしに大きな不安をもたらしている。 マスメディアは地球温暖化という遠因を指摘しつつ、ダムや砂防ダムの未整備が直接的な原因で…
久しぶりに生態学におけるフィールドワークの面白さを伝えてくれる本が出ました。実を言うと、この本が出たことを知ってはいたのですが、買おうかやめようか迷っていたのですが、著者の辻さんから、私の子供向け科学読み物「ニホンザル」を読みたいので送ってくださ…
西原智昭著 増補改訂版 現代書館 2300円 2020年 昨今、生物多様性を守るということで、野生生物保全論がもてはやされている。その反面、現実には生物多様性は日々失われているのも現実である。保全論をうたう大学の講座には大きく二つの流れがある。一つは生態学的…
私がいわゆるサル学を志したのは、1973年のことである。S大学の生化学科に入ってまもなくのことだ。大学に入るまでに時間を要した私は、それなりに多くの疑問を抱き、やっと生命とは何かという問題に取り組んでみようと思い出していた。 医学部の受験に失敗…
ニホンザルの行動学、生態学に没頭していた頃には、川の問題についてはそれほど強い関心は持っていなかった。というより持ち得なかったというべきだろう。しかしながらニホンザルの進化に伴う諸問題を考えるうちに、哺乳類としてのニホンザルを考えるという…
いま、沖縄本島北部のやんばるは世界自然遺産登録のためのIUCNの現地調査が行われようとしている。世界遺産に登録されようがされまいが、ここの特異性や希少性は世界に冠たるものとして後世に残していかねばならない。そうしたかけがえのないやんばるの生物…
ーアマチュアリズムの結晶ー エゾナキウサギはとても魅力的な生きものである。私はニホンザルの研究者として本州以南をフィールドとしていたが、このエゾナキウサギは名前が示すとおり、その生息地は北海道にある。したがって、ニホンザルのフィールドワーク…
うんちコロコロうんちはいのち きむらだいすけ さく・え岩崎書店 2016年 うんちは排泄物とも呼ばれるように、多くの人は、不要なものいらないもの、あってはならないものと考えているかもしれない。たしかにうんち(フン)は動物が消化できないものを身体の…