生きもの千夜一話 by 金井塚務

大型ほ乳類の生態学的研究に関するエッセイ、身の回りの自然、旅先で考えたことなどをつれづれに書き連ねました。

Web博物館

Web-博物館ー細見谷渓畔林4 モリアオガエル

湿地である細見谷渓畔林はモリアオガエルの生息にうってつけの森である。6月半ばの細見谷を歩けば、そこかしこから、 カヮルル・ガヮルルとやや低くくぐもった野太いモリアオガエルの鳴き声が聞こえてくる。こう書いても実際の鳴き声を表現することは難しいので…

Web博物館ー細見谷渓畔林3  渓畔林昔話

細見谷渓畔林は生物多様性に富む貴重な渓畔林であることに間違いは無いのですが、しかし最近の状況を見ていると大分劣化が進んでいるように見えます。一口で言えば生きものの気配が年々薄くなっているということです。生物量(バイオマス)の系統的継続的なデータ…

Web博物館ー細見谷渓畔林2 積雪期の細見谷

広島県北西部は日本海に近く、生物地理学的にも日本海型の特徴を持っていると言われている。つまり冬期の積雪の影響を受ける地域と言うことである。細見谷は旧吉和村、現在の廿日市市吉和という行政区に位置している。水系としては太田川水系の源流域にあたる。ち…

Web博物館ー細見谷渓畔林1ー生物多様性のホットスポット・

1992年4月中頃だと記憶している。ツキノワグマのレテメトリー調査をしていた米田さんから誘われて、セスナ機に乗ったことがある。1時間のフライトで一人10000円。米田さんの調査費節約のための協力フライトである。広島県西部の西中国山地上空を飛んでクマに装着…