生きもの千夜一話 by 金井塚務

大型ほ乳類の生態学的研究に関するエッセイ、身の回りの自然、旅先で考えたことなどをつれづれに書き連ねました。

2015-01-01から1年間の記事一覧

HFMエコロジーニュース116(通算273号)

クマ調査での思わぬ発見 10月下旬から11月初旬にかけて、細見谷川流域ではゴギの産卵シーズンとなる。この時期にクマがゴギを求めて小さな沢にやってくるということはこれまでにも何度か報告している。しかしながら、魚影の薄い昨今ではなかなかその現場をつ…

細見谷にクマの痕跡を追って-HFM エコロジーニュース115

年々歳々、ツキノワグマの中核的生息地と言われている、細見谷流域でも痕跡が希薄になりつつある。その一方で、集落周辺への出没が問題視されているのも事実である。クマの集落への出没は、多くの場合、個体数の増加と山の実りの多寡と関連づけて報道されて…

HFMエコロジーニュース114

難航した細見谷調査行 細見谷渓畔林を舞台に、某TV番組の取材が進行している。ここに生息しているツキノワグマの生態もその対象となっており、真夏の渓畔林に稔るウワミズザクラの果実を目当てにやってくるクマの姿を記録するために設置したカメラを回収すべ…

HFMエコロジーニュース113(通算270)

アカショウビンの巣作り 前回の調査行では、ミゾゴイのペアを発見していたので、その後の状況を把握しようと出かけたのだが、あいにくミゾゴイとの出会いは果たせなかった。今、細見谷渓畔林を題材とした某自然番組の取材中なので、その素材探し(とはいって…

HFMエコロジーニュース112

<ミゾゴイにであった> 雪もようやく消えたようなので、久しぶりに細見谷へ出かけてみた。この春初めての調査行であった。最近の細見谷は台風やどか雪のせいで林道も荒れ気味だから、どこまで入れるか少し心配していた。吉和入り口から下山林道入り口までは…

実質勝訴判決・やんばる訴訟

2015年3月18日午後2時、沖縄県那覇地裁101号法廷は緊張した面持ちの傍聴人であふれていた。裁判官が入廷し、2分間の冒頭撮影が済むと、おもむろに判決主文の申し渡しがあった。1.本件訴えのうち、被告が別紙林道目録記載1ないし30の各林道の開設…

HFMエコロジーニュース111(268)

2014-05-28 11:19:47 | ニュース 鳥獣保護法改定-個体数管理では解決しない野生生物の保全 2014年5月23日に鳥獣保護法が一部改正された。今後は「改正法案では、集中的に頭数を管理する必要があるシカやイノシシなどの鳥獣を環境相が指定、都道府県や国が捕…