
先日、上梓した「奥山を捨てたクマ」の読後感をさるベテラン猟師のお方からいただきました。本人様の了解を得て、ここに紹介し、ついでながら、この内容についてAIとの対話を試みました。
クマ猟歴60年の私が、今こそ多くの人に読んでほしい一冊 私は岩手県で狩猟に携わり、本年でクマ猟歴60年になります。山形県、秋田県、青森県などにも多くの猟友がおり、各地におけるクマ猟や捕獲の実情について情報を共有してきました。 このたび、金井塚務先生の著書『奥山を捨てたクマ』を拝読し、先生が積み重ねてこられた綿密な資料調査と、現場に根ざした考察の深さに大きな感銘を受けました。 とりわけ興味深かったのは、先生の主なフィールドである西日本の自然環境やクマの生活環境が、私の知る東日本の状況と驚くほどよく似ていたことです。地域は異なっても、クマを取り巻く山の変化や、人里に姿を現す背景には、多くの共通点があるのだと改めて気づかされました。 現在、全国各地でクマをめぐる問題が深刻化しています。本書は、なぜクマが人里へ出てくるようになったのかを考え、これからの人とクマとの関係を見つめ直すうえで、ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。 まさに『奥山を捨てたクマ』は、いま各地で起きているクマ問題を理解するための「バイブル」と言える書籍です。 岩手県猟友会 会長 藤沼弘文
著書『奥山を捨てたクマ』の核心と共通背景
- 「個体数増加」論への疑問: メディアで多く報じられる「クマが増えたから人里に出る」という単純な理由ではなく、森林破壊や温暖化、生物多様性の劣化といった「環境の変化」に本質があることを提起しています。
- 分布のドーナツ化: 著者の金井塚氏が提唱する、クマの生息域が奥山から人里に近い周辺部へとシフトしている現象です。
- 東西の共通性: 岩手と西日本、地理的には離れていても「山が変わり、クマが奥山を捨てて人里に現れる」という構造的な背景は全国共通であると、ベテラン猟師の目からも裏付けられています。
書籍情報
商品名: 『奥山を捨てたクマ: 大量出没の謎を解く』 Amazon
- 著者: 金井塚 務(広島フィールドミュージアム代表)
- 出版社: 緑風出版
- 内容: 単なる獣害対策の枠を超え、人間社会と自然環境の相互作用を多角的に見つめ直すための、まさに「バイブル」と呼べる一冊です。 [1, 3, 4, 5, 6]
1. 『奥山を捨てたクマ』の書籍要約
- 生息環境の質の劣化: 戦後の拡大造林(人工林化)や大規模な森林破壊により、クマの本来の主食(多様な堅果類、魚、水生生物など)を育む豊かな森(渓畔林など)が失われました。
- 生物多様性の破壊: 単に「森林面積」の数字が維持されていても、生態系の質(多様性)が著しく低下しており、クマが奥山で健全に命を繋ぐことが困難になっています。
- 社会の変化と人工物依存: 里山の過疎化や農山村コミュニティの衰退によって、人と山の境界線(エコトーン)が消滅しました。これにより、クマが人里の放置果樹や生ゴミ、農作物といった「人工的な食べ物」に依存しやすい環境が作られてしまいました。
- 新たな環境脅威: 温暖化による生態系の変化に加え、近年の大規模な風力発電やメガソーラーといった再生可能エネルギー開発が、さらなる奥山の破壊(生息地追放)に拍車をかけていると警告しています。
2. 「分布のドーナツ化」の詳しい解説
① 「分布のドーナツ化」とは何か?
② なぜドーナツ化が起きるのか?(メカニズム)
- 奥山の劣化(プッシュ要因):
かつての拡大造林や砂防ダムの建設、近年の気候変動(温暖化)や再エネ開発により、深い山奥の食べ物が激減しました。クマにとっては「奥山にいても飢えるだけ」の過酷な環境になっています。 [2] - 里山の魅力向上(プル要因):
一方で、過疎化が進んだ人里周辺(里山)には、人間の管理が行き届かなくなったカキやクリの木、廃棄された農産物などが豊富に存在します。さらに、狩猟者の減少や高齢化によって、クマにとって「人間が怖くない存在」になりつつあります。
③ なぜ「大量出没」に見えるのか?
クマが山全体に広く薄く分布していれば、人間と遭遇する確率は低くなります。しかし、「分布のドーナツ化」によって、クマがわざわざ人間の生活圏のすぐそば(輪のエリア)に高密度で集まって暮らすようになるため、結果として人間の目にとまる機会や獣害が爆発的に増えます。
これが、実際には個体数がそれほど増えていなくても、人間の社会側からは「クマが異常に増えて大量出没している」ように誤認される最大の原因である、と本書は解説しています。 [2]
- 「獣害対策・駆除」の視点: どうやって被害を防ぐか、どう捕獲するかという技術的・行政的な対処療法の話。
- 「野生動物保護」の視点: クマはかわいそうだから殺すべきではない、共存すべきだという倫理的・感情的な話。
① 行政の「個体数推定」の矛盾を科学的に突いた
② 猟師の「肌感覚」と完全に一致した
③ 「再生可能エネルギー開発」という現代のタブーに踏み込んだ
1. 「現場の知恵」と「机上の空論」の乖離
- 猟師の訴え: 「山が荒れ果てて、奥山にクマの食べ物がない。だから下りてきているんだ」
- 行政・専門家: 「いや、統計データ上は個体数が増えている。だから駆除(引き算)すれば解決する」
2. メディアや世論からの「悪者扱い」への憤り
クマが出没すれば「早く駆除してくれ」と頼まれる一方で、いざ駆除すれば全国から「かわいそう」「殺すな」といった理不尽なバッシングや抗議電話(いわゆる電凸)が猟友会や自治体に殺到します。
「自分たちは地域の安全のために、そして山のバランスを保つために命がけで引き受けているのに、なぜ本質を理解されずに悪者扱いされなければならないのか」という孤独感と理不尽さを、彼らは常に抱えていました。
3. 金井塚氏の著書がもたらした「名誉回復」
この本は、猟師たちが何十年も山の中で目撃し、肌で感じてきた「奥山の崩壊」と「クマの行動の変化」を、緻密なデータとフィールドワークによって「これこそが真の科学である」と証明したのです。
- 「俺たちの言っていたことは間違っていなかった」
- 「ただ数を減らせばいいという行政のやり方こそが、的外れな『机上の空論』だったんだ」




















































































