2016-01-01から1年間の記事一覧
ブナ-ミズナラの夫婦樹から湛水域の終点まではもう2Kmほど北ノ俣沢を遡上しなければならない。その前にもう一カ所、風穴の温度測定をしなければならない。その風穴はかなり遅くまで積雪が溶けずに残るところにできた累石型の風穴で、対岸(左岸)の大規模な…
ブナとミズナラの夫婦樹 ともかく昼飯をすまして、さらに上流を目指す。河原へ出てすぐのところで見つけた風穴へ温度測定にむかう。風穴は左岸と右岸にそれぞれ1カ所ずつあるが、まずは右岸の風穴へむかう。ちょっと見にはなんの変哲もない川沿いの森なのだ…
4度目の北ノ俣沢-その2 二つ目のクマゲラの巣穴 崩落地と園周辺の風穴での温度測定を終え、さらに上流を目指す。左岸の高茎草原で鮮やかなムラサキ色の花の群落を見つけた。花はトリカブトに間違いない。だが葉は見慣れたトリカブトよりも幅広で厚い。どう…
4度目の北ノ俣沢- その1 2016年、つまり今年のことだが、なかなか台風が発生しないと思っていたら、8月に入って突然、台風多発状態になった。しかも日本近海で発生し、関東、東北、北海道といった台風常襲地帯とはことなる場所で大きな被害をもたらした。一…
秋田県雄勝郡東成瀬村への3回目の調査行である。今回は川沿いの森林植生についてより具体的なデータを集めることを目的としていたので、測量の専門家のKさんも同行しての本格的調査である。 前の2回の調査は天候にも恵まれていたが、今回は梅雨真っ最中の調…
クマゲラって鳥、知ってますか?真っ黒な身体に赤いベレー帽といった出で立ちのキツツキである。 本州には、アカゲラ、オオアカゲラ、アオゲラ、コゲラ、アリスイといったキツツキの仲間が暮らしており、時折見かけることがある。とくにスズメほどの大きさの…
前回、ダム予定地を下見した様子を報告したが、そのときは雪解け水で増水した沢を歩く事ができなかったので、(地図の赤いピンマークを通るように)中腹を迂回するように歩いたのである。今回は鳥の調査(担当花輪さん)に同行して北ノ俣沢と木賊(とくさ)…
成瀬ダム予定地を歩く 秋田県南東部、岩手県・宮城県との県境近くに東成瀬村はある。成瀬ダムは利水、治水を目的とした多目的ダムであるが、多目的は往々にして無目的であることはよく知られた事実である。当然地元では貴重な自然を破壊する事業として反対運…
季節の移ろいは速い。特に春はそうだ。駆け足でやってきて、あっという間に通り過ぎてしまう。私は宮島の対岸に居をかまえているのだが、4月上旬にはすでに花は散り葉桜の趣を見せ始めている。しかし同じ廿日市市内でも北部吉和地区は標高も高いこともあって…
例年だと、雪が解けて細見谷へ入れるようになるのが4月中旬から下旬なのだが、今年はどうやら雪解けも早いのではないかとという気がして、まだ3月だというのに杉さんと一緒に下見に出かけた。 案の定、主川をさかのぼって林道入り口付近まで来ると、斜面には…
沖縄本島北部のやんばる地域を世界自然遺産登録を目指す政府は、同地域の国立公園化を計画している。しかしこの計画ではやんばるの自然を保護するためのものではなく、かえって多くの生物の生息地の分断をもたらし、孤立した個体群の衰退を招く危険性がある…
うんちコロコロうんちはいのち きむらだいすけ さく・え岩崎書店 2016年 うんちは排泄物とも呼ばれるように、多くの人は、不要なものいらないもの、あってはならないものと考えているかもしれない。たしかにうんち(フン)は動物が消化できないものを身体の…
この冬はどこも雪が少なく、寒暖の差が激しい。この急激な温度変化は生き物に大きな影響を与えるに違いない。場合によっては地域個体群の絶滅にもつながる可能性もあるだろう。このことについてはまた別の機会に譲ることにするが、温暖化がもたらすこうした…
これまで主に、野生動物を対象にした生態学的なエッセイと海外エコツアーに関する記事を掲載してきたのですが、今後はもう少し幅広い記事を発信していこうと思っています。どうぞよろしくお願いします。 写真は主なフィールドとなっている西中国山地の細見谷…