生きもの千夜一話 by 金井塚務

大型ほ乳類の生態学的研究に関するエッセイ、身の回りの自然、旅先で考えたことなどをつれづれに書き連ねました。

サル

与えるサルと食べるシカ 辻大和著 地人書館

久しぶりに生態学におけるフィールドワークの面白さを伝えてくれる本が出ました。実を言うと、この本が出たことを知ってはいたのですが、買おうかやめようか迷っていたのですが、著者の辻さんから、私の子供向け科学読み物「ニホンザル」を読みたいので送ってくださ…

ニホンザルのスギ花粉症-発見物語

2019年3月14日付けの毎日新聞1面にニホンザルの花粉症に関する記事が掲載されていました。淡路島モンキーセンターに花粉症のサルがいるという、いわゆる季節の話題といった記事なのですが、この記事からは何時どのようにしてサルの杉花粉症が見つかったのか…

サルと屋久島・ヤクザル調査とフィールドワーク

私がいわゆるサル学を志したのは、1973年のことである。S大学の生化学科に入ってまもなくのことだ。大学に入るまでに時間を要した私は、それなりに多くの疑問を抱き、やっと生命とは何かという問題に取り組んでみようと思い出していた。 医学部の受験に失敗…

宮島のシカとサル-シカザル人形と色楊枝

財団法人日本モンキーセンター(当時)によってにニホンザル47頭が香川県小豆島から宮島へ移されたのが1962年のことである。それからおよそ40年の間、ロープウエイの終点駅付近に設けられた餌場でニホンザルを観察することができたてきた。このニホンザルこ…